材料エネルギー化学コース

准教授

研究テーマ

特異的なナノ構造をもつセラミックスの結晶成長と顕微鏡による評価

専門分野

無機材料工学

STEMモアレによるエピタキシャル薄膜の配向度評価

エピタキシャル薄膜には基板との格子ミスマッチなどに起因する結晶配向度の揺らぎが存在し、物性に大きく影響を及ぼす。100nm~1μmスケールにおけるエピタキシャル薄膜中の結晶配向度評価は従来法(XRD, TEM)では困難である。新たな手法として、STEMモアレ法を利用した解析手法を提案し、測定精度を検証した。格子ミスマッチと結晶配向度、膜厚との関係を明らかにするため、本手法を今後様々な結晶系薄膜へ展開していく予定である。

ペロブスカイト型酸化物ナノシートを用いた白金薄膜の配向制御

近年、低エネルギー消費プロセスにより新規ナノ材料を創製する技術として水溶液プロセスを用いた層状化合物からのナノシートの剥離と成膜に関する研究が盛んに行われている。ナノシートを基板上に成膜し、白金薄膜をエピタキシャル成長させる際のシード層として用いることができれば、格子整合しない基板の上にも白金薄膜をエピタキシャル薄膜を成長させ、その上の強誘電体エピタキシャル薄膜などの高性能化につながると期待できる。そのため、ナノシートを用いて白金薄膜を(001)配向させることを目的として研究を行っている。これまでに、ナノシートの成膜条件ならびに白金薄膜の成膜条件を最適化した結果、白金薄膜のPt(001)配向度94 %という高い数値を達成することに成功した。さらに大型ナノシートを合成することにより大面積に二軸配向薄膜を成長させられるナノシートの開発にも取り組んでいる。

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