電子物質科学科は、電子物理工学と材料化学を基礎として、エネルギー産業や自動車などの輸送機器産業、あるいは電気・電子機器産業に不可欠な電子デバイスやエネルギー関連デバイスに関わる学問分野・科学技術に関する実践的教育・研究を行います。 本学科では2つのコースにおいて、
電子物理デバイスコース 電子デバイス、光デバイス、エネルギー変換デバイス、ナノデバイス
材料エネルギー化学コース 有機材料、無機材料、光材料、エネルギー材料
をキーワードとして、最先端の研究に取り組んでいます。これらを通じて、材料とデバイスの両分野に精通した、科学技術の進歩を牽引できる人材を育成します。
私たちの身の回りのほとんどの工業製品はエレクトロニクス(電子デバイス)とマテリアル(材料化学)が融合して作られているため、その両方の学問に明るい学生が企業から求められています。しかしながら従来の工学部では、エレクトロニクスは電気電子系の学科が、マテリアルは物質系の学科が担ってきました。
電子物質科学科は、そのような社会のニーズに応えるべく、エレクトロニクスとマテリアルの両方を学ぶことのできる融合学科として、他に先駆けて平成25年度に新設されました。
モーターの例を挙げましょう。
ハイブリッド自動車や燃料電池自動車に不可欠なモーターは強力な磁石が不可欠です。強力で優れた磁性材料を作 るためには地球規模で産出地域が偏在している希少金属材料が不可欠です。そのため、新たに開発した希少金属をできるだけ使わない磁性材料を 使ってモーターを作る試みが行われています。それに対して、材料を上手くアレンジすることによっても優れたモーターを作ることができます。優 れた「材料」を開発するのか、材料を上手くアレンジすることによって優れた「素子(デバイス)」を開発するのか、どちらの方法であなたはモー ターを開発しますか? いずれにせよ必要なのは、「材料」からのアプローチと「デバイス」からのアプローチの両方を知っていることです。 もう一つ、電子体温計の例を挙げましょう。
電子体温計の中には、サーミスタ−という温度を感知する「材料」が不可欠です。ただし、素早く正 確に体温を計測するためには、材料だけではダメです。材料の特性が最大限活かせるような回路設計が不可欠です。必要なのは、「材料」の特長と 「電子回路」の特長を融合させることができる知識なのです。 電子物質科学科では、このような人材育成を目指しています。
電子物質科学科は、「エレクトロニクス」と「材料・エネルギー化学」の両方の知識を学ぶことができる非常に特色ある学科です。
1年次には、教養科目、数学・物理・化学に関する理系基礎科目、英語科目を主に受講し、幅広い知識、専門に進むための基礎学力、語学力をつけていきます。
2年次最初に、「電子物理デバイスコース」と「材料エネルギー化学コース」のどちらに進むかを選択します。
2・3年次には、電子物理デバイスコースでは電子回路や画像デバイス等のエレクトロニクスに関するより専門的な科目を受講します。一方、材料エネルギー化学コースでは有機化学、無機材料、エネルギー化学など、材料化学やエネルギー化学に関する専門的な科目を受講します。
特徴的な点は、各コースに分かれた後も、基礎電気回路、エネルギー電気化学など、両コースに共通の科目が多く設定されていることです。4年次になると卒業研究が始まり、世界最先端の研究に携わることで、研究力を磨くことができます。より詳しいカリキュラム表はこちらからダウンロードできます。
エレクトロニクス産業、光・通信産業、自動車・輸送機器産業、エネルギー・環境産業、化学産業など、多岐にわたる分野への就職が可能です。詳しくは「就職・進学」のページをご覧ください。
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