Y.Kさん
2024年3月卒業
日本ガイシ株式会社
私は脇谷・坂元研究室での研究成果により、日本セラミックス協会 第36回秋季シンポジウムにおいて優秀賞およびThe 37th international Korea-Japan Seminar on CeramicsにおいてYoung Ceramist Award (Best Poster Presentation)を受賞しました。
研究テーマは「かご型結晶12CaO∙7Al2O3(C12A7)へのアルカリ金属ドーピングによるかご構造の電荷制御と構造変化」です。
C12A7とは、かご型の結晶構造をもつ無機材料で、セメントの材料に使われるような身近な物質です。C12A7は正に帯電したかご骨格構造を有しており、かごの中に陰イオンを包接することで安定化します。この陰イオンは置換可能であり、陰イオンの種類によって特性が変化し、それによる様々な応用が期待されています。私の研究では、このかご骨格にアルカリ金属をドープすることで電荷制御を行い、かご骨格を負電荷とすることを目的として研究を行いました。かご骨格が負電荷になると、これまでにない新たなカチオン導電性物質の創出につながる可能性が期待できます。これまでのところ、かごに包接されている陰イオンの減少を示唆する結果が得られています。
最後に、これから静岡大学を受験される方々へ。大学ではこれまで以上に主体的な行動が求められます。周りに合わせているだけだと無難な結果で終わりますが、自分から行動を起こすことで大きく成長できる機会は何度も訪れます。特に大学院での研究活動では、研究成果を学会で発表することで、これまでにはない知見を得ることができます。国内だけでなく国外での発表を経験することで自分自身の成長にも繋がるため、是非チャレンジしてもらいたいです。